【ししとう】白絹病がやってきた!【予防と対処】

ついにこの時がきた・・・

感染すると治らない、恐ろしい病気、それは白絹病

記録的な少雨が続き水不足に悩まされていた8月。

土はカラカラ、灌水しても効果は見られず収量が上がらない。

(困ったなぁ・・・)と思っていましたが、

台風8号の影響で8月23日あたりから、激しい夕立が降るようになりました。

 

ありがとう!雨!!

みるみるうちに、ししとたちは元気になり花も咲きこぼれるようになりました。

(あと数日したら、沢山収穫できるわい。)

と思っていたある日のことです。

収穫後、虫などがついていないか見回りをしていたら、葉っぱに艶のない個体がいました。

いつもの葉っぱ
元気のない葉っぱ

 

あやしい・・。

そう思い株元をみたら、やはり悪魔がしのびよっていました。

白絹病だ!

感染力の強い病気なので血の気が引いて一瞬パニックになりました。

(あわわ。あわわ。圃場全体に蔓延したらえらいこっちゃ。)

とうろたえましたが、圃場の外に出すのが先です。

誘引ヒモを外し、枝をボキボキ折り、残った株を根本から引っこ抜きました。

さようなら・・・

ひっこぬいた株は遠く離れたヤブへ捨てました。

白絹病にかかったら、まるまる一本抜かないといけないので、本当に恐ろしい病気です。

この日は2本、白絹病に感染しているししとうを発見しました。

株を抜いた後の対処方法

大急ぎで指導員さんに連絡したところ、

「土が移動しないようにビニール袋をかぶせてね。」

とのことでした。

ちょうど肥料袋があったので、菌のついた土が隣の植穴に入ったりしないように穴をふさぎました。

次の日はどうなっているのかな・・・。

白絹病を発見した日は雨雲が近づいている予報だったので防除ができませんでした。

(こわいなぁ・・・蔓延したらヤバいよなぁ・・・)

と思いながらも何もできず迎えた翌日。

 

 

あ・・・

これ、あかんやつや・・・。

 

こいつも白絹病になってる・・・

昨日は何にもなってなかったじゃん!!

ものすごい速さで病気が広がるんですね。

この日は2本、全部で4本感染してしまいました。

白絹病を防除しよう!

このままだとダメだ。

生活費を稼げなくなってしまう・・・

ということで防除をすることにしました。

リゾレックス水和剤の登場です。


リゾレックス水和剤

■種類名:トルクロホスメチル水和剤
■有効成分:トルクロホスメチル・・・50.0%
■性状:淡褐色水和性粉末 45μm以下
■毒性:普通物

作物名適用病害虫希釈倍数
使用量
使用方法使用時期本剤の使用回数散布液量
ししとう白絹病1000倍株元灌注収穫前日まで2回以内1L/m²

100本のししとうを植えているので、1本につき1リットルの計算で動噴を使って株元に潅水をしました。

防除の経過

防除をして3日ほど経ちましたが、今のところ感染が広がっている様子はないので、一安心しています。

白絹病対策の反省点

7月2日に白絹病の対策としてリゾレックスを株元に潅水。

それから発病しなかったので安心していました。

 

8月にはいり雨が全く降らず、炎天下の日々が続きました。

(これくらい乾燥していたら病気も大丈夫だろう。)

と思っていましたが、激しいにわか雨が数日続いたところ感染。

高温と多湿が組み合わさったことが原因なのではないかと考えています。

なので来年は7月初旬だけでなく、8月初旬にも防除をして白絹病に備えたいと思います。

白絹病について

症状

主として茎および主根が侵される。
茎の地際部や主根の基部に褐色の病斑を生じ、表面は白い絹糸状の光沢のある菌糸に被わる。
やがて、ナタネ粒大で、初め白色のち黄褐色の菌核が多数形成される。
罹病株は生育が停止し、ついには萎ちょう枯死する。

発生条件

被害部に生じた菌核は土中で数年間生存して伝染源となる。
発病適温は25℃内外、多湿条件下で発病しやすく、土壌に稲ワラなど未熟有機物を多施用すると多発する。
本菌の寄主範囲は広く、ピーマン以外になす、トマト、きゅうりなど多くの作物を侵す。

対策

(1)土壌中や土壌表面に生ワラなどの未分解有機物があると病原菌が増殖して多発の原因となるので、
土壌に生ワラなどを施す場合は植え付け1カ月以上前に施し、土壌とよく混和して腐熟を促す。
また、畝面への敷きワラは作物の株ぎわまで覆わないように注意する。

(2)菌核は野外で数年間生存できるが、好気性の菌なので、湛水状態にすると3~4カ月で死滅する。
露地栽培では水稲との輪作、ハウス栽培では夏の休閑期に湛水あるいはハウスを密閉して、
太陽熱処理を行い菌核の死滅をはかる。

(こうち農業ネット 高知県病害虫・生理障害台帳/ピーマン・ししとう 白絹病)

伝染経路

※参考資料:病害虫カラーカード②野菜 全農肥料薬学部

発生消長

※参考資料:病害虫カラーカード②野菜 全農肥料薬学部