【農家になるには?】そうだ、菜の花農家になろう!【小さい農業】

「ブロッコリー」か「菜の花」か、それが問題だ。

ししとう栽培も中間を過ぎ、冬の作付けを考えなければならない時期となりました。

高知県四万十市の中山間地域で露地栽培をする場合、「ブロッコリー」か「菜の花(なばな)」が候補にあがります。

ブロッコリーの問題点

ブロッコリーは菜の花と比べると出荷が楽みたいです。

キャベツや白菜のように、広い面積の畑でじわぁっと育てて一気に収穫・出荷。

というスタイルです。

毎日収穫・毎日出荷。というわけではないんですね。

ということは天候不順や病気でダメになってしまったら、収入が見込めるか分からないということになります。

ここ数年 天候がおかしいので、ちょっとリスクが高い。

それに最低でも2haは必要ということで、そんな面積の圃場、山奥には、ない。

ということで、ブロッコリーはやめることにしました。

菜の花の問題点

菜の花は出荷がとにかく大変!

束ねて紙でくるんで長さを揃えて出荷するのですが、

花が少しでも咲いていたら返品になるので、とにかくシビアです。

この出荷作業が大変すぎるので、自分が住んでいる地域で栽培している人はほとんどいなくなりました。

「菜の花」に決めた!

いろいろ考えた結果、冬の作付けは菜の花にしました。

ブロッコリーを栽培して収益があげられるほどの圃場がないこと、

地域に菜の花栽培のノウハウを持っているお年寄りが多いこと。

なによりシーズンが終わったらきれいな菜の花畑が見れること。

こういった理由で菜の花を栽培することにしました。

栽培マニュアルをもらいに行こう!

栽培する!と決めたもののどれくらいの肥料が必要なのか。

いつくらいの時期から準備をはじめたらいいのか分かりません。

ということで農協の農業振興センターさんに栽培マニュアルをもらいに行きました。

「すみませーん、今年からなばなの栽培をしたいので、なんか、その…暦みたいなのいただけませんか?」

と事務所に行って声をかけました。

中には所長さんみたいな女性がいらっしゃいました。

「暦ですか?どういったものでしょうか?」

「いついつに何して、みたいなものが書いてあるやつが欲しいです。」

「わかりました。ちょっと待ってくださいね。」

といったやり取りがあったあと、A3用紙の書類を数枚印刷して持ってきて下さいました。

右上に『農薬一覧表』とでかでかと書かれています。

 

(はじめてなのに農薬一覧表だけ見て栽培できる自信はないなぁ・・・。)

と思ったので、

「農薬だけじゃなくて、スケジュールがのっているやつはありませんか?」

と尋ねるとすぐには見つからないみたいで、数人の職員さんのパソコンを見たり、電話をして聞いて下さったり、なんだか大変そう。

(NASに共有すべきデータは保存しておいて、職員ならだれでもアクセスできるようにしていないんだなぁ。)

と思いましたが、セキュリティ的な問題があるのでしょう。

ドタバタしていましたが、外回りをしている菜の花担当の職員さんに電話がつながったみたいで、

栽培マニュアルのデータがあるフォルダを教えてもらえたようです。

「あったあった!あっ、でも・・・ひらがなの”なばな”とカタカナの”ナバナ”どっちが正しいデータなの?」

という声が聞こえてきたんですね。

(どんなデータの管理方法してるの!?)

と思わずにいられませんでしたが、分からなくもない。

なんやかんやあって、やっとこさ栽培マニュアルをいただくことができました。

 

農業振興センターの門を叩いたとき「暦」という単語を口にしてしまったのが悪かったですね。

みなさまは「栽培マニュアルをいただけませんか?」と言うようにしましょう。

 

作付け条件・栽培体系

〇栽培面積例: 早生:2~3割 中生:7~8割

〇栽培面積:10a

〇目標収量: 300~400kg/10a

〇月別の収量目安:単位(束/10a)

10月11月12月1月2月3月4月合計
収量(束)若干量158020043011001752000

〇圃場の準備:水稲等の前作が終了次第 耕うん

あれ?まにあわないんじゃない??

播種が9月末になってる!

播種時期を指導員さんに聞いたところ、「9月末から10月初めにまいてね。」と言われました。

しかし栽培をする予定の圃場は畑ではなく、田んぼです。

8月頃に稲刈りをする早生ではないので、稲刈り時期は10月に入ってから。

(稲刈りをした後で土づくりをして・・・)と考えると間に合わないんじゃないか?

と思い始めました。

菜の花の土づくり

圃場の選定:排水性・日当たりが良く、ネコブ病に汚染されていない圃場を選ぶ。

土壌酸度の矯正:播種の3週間前に堆肥・苦土石灰を施用・耕転

元肥:播種の1~2週間前に施用

先輩農家さんに聞きに行こう!

考えてもどうしようもないので、稲刈りの後に菜の花の定植をしている先輩農家さんに話を聞きに行くことにしました。

田んぼの後で菜の花を栽培する場合

説明をしてくれるお婆ちゃん

雨よけのししとうを栽培している農家さんなので忙しくないかな?

と思っていましたが丁度パック詰めが終わったところでお話をすることができました。

「田んぼの後で菜の花をやりたいがやけど、どうやったらええがやろう?」

と聞いたところ親切に教えてくれました。

定植(移植)までの流れ。

  1. 苗床をつくる
  2. 種をばらまく
  3. 稲刈りが終わったら圃場の土づくりをする
  4. 畝をつくり圃場の準備をする
  5. 移植可能な大きさになったら定植をする。

 

まず畑の一角に苗床をつくります。

苗床の広さは1反つくる場合は2~3畝くらいで十分みたいです。

種はばらまきで蒔くそうでした。

移植の際に隣の苗を傷つけることがないように、感覚は広めでばらまいた方が良いとのこと。

苗を育てている間に稲刈りをして、元肥を入れて耕起して、畝たてをするなど圃場の準備をします。

苗が定植ができる大きさになったら、苗床から圃場に移植をする。

これが一連の流れみたいです。

やっぱり先輩農家さんに聞いてみないと分からないこともありますね。

苗床に必要なだいたいの広さ(1反分)