民草のみなさま。
私ごとですが今年度は村の班長のバトンが回ってきたので喜んで承りました。
1月29日は、2回目の班長としての初めての村の役員会。
そうです、平民会です。
平民の代表が寄り集まって行うことといえば、会議ですよね。
基本的にのんべんだらりんとした会合なのですが、年度はじまりの役員会だけは重みが違います。
住民たちの年貢の金額を決定する会合だからです。
お金にまつわることなので、なるべくなら責任は分散させたいところ。
「あの人も良いって言ってたモーン。」ができると生存戦略的に優位に立つことができる可能性があるからです。
なににせよ参加者は大いにこしたことはありません。
平民会は金銭を司る神が、聖なる大地に家を建てた罪深き平民たちの名前とホーリーネームが書かれた竹簡を代表者全員の前に並べます。
そして、咎人ら全員にポイントを付けて、年貢費が決まるのです。
収入が多い世帯はポイントが高いです。
というのも集落だって集合体なのですから予算があってこそ動きます。
1年100万円で運営されている村もあるようです。
つまり100万円を村に寄付出来たら村の政治を牛耳れるということか!
「村の民草は価値観が古いのであります!」さて移住失敗の記事から始まった、イナカモノ談義。[sitecard subtitle=関連記事 url=https://shimanto-popopy.com/muranotamiku[…]
年貢費は街燈の電気代や寄り合い場 の光熱費などに使われます。
不正がないかは毎年1月に行われる初会で決算書・予算書が発表され住民の質疑応答があったのち、OKと相成ります。
といってもそんな重要な回だなんて、事前にお知らせがくるわけではないんですけどね。
私はポイントはたくさんほしいタイプなんで、20ポイント上げてもらいました。
村人pt20上昇。
体が弱ってしまったり、家族の方が事故にあってしまったり。
さまざまな事情で区費の負担が難しい方も地域にはいらっしゃいます。
高齢者の方など区費の支払いが負担になる住民もいらっしゃいます。
そういった方たちも福祉的な意味でポイントを下げる処理をしているのです。
「じゃあみーんなゼロ!」ってやっちゃうと街燈の電気代も払えないよね~ってなるから、
誰かのポイントが自動的に上がるような仕組みにもなっています。
年貢の総量が下がっちゃうと、一人頭の負担分が多くなるという悩ましい機構もありますね。
こういった決め方を「みなし」といいます。
先ほど「収入が多い世帯はポイントが高い」と言いましたが、
多いかどうかは正確な数値は税務署ではないので把握しておりません。
高い”だろう”とみなしているわけです。
そのほか年貢費の決め方には「一律」があります。
それにしても、なんだか義と仁の徳パラメーターが上がった気がします。
我々民草は日常の中のささやかな場所で、選択を強いられます。
その選択の結果が、または”選択をする”という行為そのものが、徳パラメーターを上げる修練の場所となっているのです。
そういう武士道シュミレーションゲームなんです。
そういったシュミレーションゲームに、昭和生まれの古い世代のおじさん、おじいさんたちは夢中になっておるのです。
私は人の暮らし方にはもっと多様性があっていいんじゃないかと考えます。
べつに武士道シュミレーターのトップランカーになりたいとは思えません。
APEXのトップランカーの方が圧倒的になりたい。
「カッコいいの価値観が違うんじゃ!同じ物差しで測るなやヴォケカス!!」と言っちゃう人もいるでしょう。
美学の衝突には果てはありません。
美なんていうものは文化によっても大きく変わってくるものなので、違っていてもいいじゃないですか。
昭和に誕生した”おおきな夢”と呼ばれる幸福観の外側にいる人たちであっても、
他とは違った形で村に貢献できるのであれば、高く徴用すべきです。
結果が出ていないクリエイターやトレーダーであってもです。
たとえ彼らが成功せず低空飛行を続けたとしても、まだ村には子供たちが暮らしているので学習の機会になるじゃないですか。
「世の中にはいろんな人がいるんだ!」と幼いうちから知っているのといないとでは、ヤイロチョウを守る会が忠誠を誓う生物多様性国家戦略に害をなします。
それに「女の口で食わせてもらっている」なんて言葉を、聖なる平民会の議場で聞きたくないです。
なににせよ「生態系」という地球全体で起動している巨大なシステムは、多様性がある方が安定して動きます。
お互いがお互いを補完する団粒構造のような状態を構築することも可能です。
全てがネットワーク上に繋がっている、生命の根源たるエコシステムに則り、それぞれの多様性を尊重してくれた方が、
個人的には暮らしやすいので助かるんですけどねぇ。
ただ問題は「尊重」って何よ?
と聞かれると、これも美学のぶつかり合いになっちゃうので黙っちゃうほかないのですが。
いやはや。
おしまい。