「村の民草は価値観が古いのであります!」

さて移住失敗の記事から始まった、イナカモノ談義。
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平成生まれの私が、土佐鶴の盃を地元住民たちと交わしたからこそ、
分かってきた、価値観の相違。世代間のすれ違い。
それは何なのでしょうか?
違いを生む原因の一つに、道徳があると私は考えます。
一神教の国家ならば、宗教という存在が国民に与えるモノ。
概念が非常にひろいのが特徴で、一概に「これだ!」と言いにくいヤツ。
それが、道徳。
「徳」という漢字は、その昔 『德』 と表記されたいたようで、
「行い」「真っ直ぐ」「心」といういかにも修身教育的なイメージが名前に現れています。
名は体を表すといいますので、
具現化した『德』という概念は我々民草の心に入り込んでいる可能性は大いにあるでしょう。
『德』はどこから来たのでしょうか?
そもそも日本独自のものなのでしょうか?
明治時代、新渡戸稲造さんが外国の方にこう聞かれたそうです。
「日本には宗教教育がないでしょう?どうやって道徳を子どもたちに教えているの?」
新渡戸稲造は、お家に帰って長らく考えたあとで、こう答えました。
「それは武士道です。」
でました。
日本人のレキシ。
平成元年生まれの平成初期ロットの私が受けた道徳教育の歴史を遡れば、修身教育にたどり着きます。
GHQが戦後日本を統治・平定するための政策によって名前が変わっちゃったんですね。
さぁ、教師が生徒の頭をバチボコ殴りつけていた修身教育時代のさらに昔の道徳教育。
それが武士道らしいんですねぇ。
日本人の道徳を語るなら、武士道は欠かせないといえましょう。
ということで武士道の中身をちょっと覗いてみましょう。
武士道は大きく3つの成分からできています。
武士道とは?
①神道
親に対する忠誠
祖先に対する尊敬
親に対する考心
②仏教
運命を穏やかに受け入れ
運命に静かに従う精神
③儒教
考える事と行動する事はイコールであるという思想
本当の知は実践を伴わなければならないという考え
日本は多神教の国家なので、この3つが融合した価値観が誕生しないとも言い切れません。
それに武士道が生まれた時代、
儒教は最先端の学問で、多くのエリートがこぞって学んでいた歴史があります。
そのエリートたちは、エリート教育の中で日本書紀も学んだことでしょう。
『釈日本記』という注釈書があったみたいなので、現役バリバリで本屋さんに平積みされていたかもしれません。
武士道の萌芽期は鎌倉時代と諸説ありますが、そうらしいです。
鎌倉時代といえば、鎌倉新仏教ですよ、みなさま。興奮しますね。
踊り念仏でおなじみの一遍が登場した、仏教が熱かった時代です。
鎌倉時代の前は平安時代。
ここが古代と中世の境目なので、国民の価値観が大きくムーブした地点でもあるということです。
戦争も餓死も疫病も裏切りも一揆も身売りも親殺しも子殺しもあったことでしょう。
そういったもろもろが接着剤となって、仏教・神道・儒教がくっついてできたのが武士道なのです。
武士道には8種類の徳パラメーターがあります。
道徳教育の『徳』の概念は、どうやら新渡戸稲造が説く武士道の概念が大きく影響していそうです。
簡単に言うと徳パラメーターが高いやつほど、すごいやつ。
美しいやつ。かっこいいやつ。みたいな設定になっています。
義☆☆☆☆
勇☆☆
仁☆
礼☆☆☆
誠☆☆☆
名誉☆☆☆
忠義☆☆
勇☆☆
仁☆
礼☆☆☆
誠☆☆☆
名誉☆☆☆
忠義☆☆
パラメーターの説明をします。
徳パラメーターについて
■人として守らなければならない正義の道理
義ー人としての正しさ
勇ー何事にも動じない精神
■人と向き合う際に大切なもの
仁ー他者を思いやる心
礼ー他者に対する優しさ・敬い
誠ー相手に対する誠実さ
※仁のパラメーターを上げると出世しやすくなる。
■命をかけて大切にするもの
名誉ー自分を磨くこと
忠義ー人につくすこと
名誉はともかく忠義が入っているので、私が学ぶ帝王学にふさわしくないですが興味深いです。
さて今回のイナカモノ談義はここまでにしたいと思います。
次回は村の仕組みと武士道をふまえてイナカモノについて、イナカモノが語ってみたいと思います。
次回予告
ブシドーブレードよりAPEXが強い方がカッコいいと思う。
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