【森の妖精】高知県でヤイロチョウが見たい!!【幻の鳥】

目次

はじめに

2019年9月16日にNHK BSプレミアムでワイルドライフ「高知 四万十川の森“幻の鳥”ヤイロチョウを追う」が放送されました。

ヤイロチョウを愛する私にとって、多くの人にヤイロチョウを知ってもらえる機会になったので、とても嬉しかったです。

ヤイロチョウってどんな鳥

ヤイロチョウ引用:wikipedia Photo By Alnus - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link

ヤイロチョウ Fairy Pitta

ヤイロチョウは日本で子育てをする渡り鳥(夏鳥)です。

とてもキレイな羽の色尻尾が短く足が長いのが特徴で、照葉樹林と呼ばれるシイやカシなどドングリの森に巣をつくって子育てをします。

大きさは「スズメぐらいじゃないの?」という気が写真を見るかぎりしますが、

スズメより大きいです。ムクドリくらいの大きさとよく言われます。

絶滅危惧種で高知県の天然記念物に指定され、指定文化財にもなっています。

高知県の鳥でもあるので、県内にはいたるところにヤイロチョウのマークがあるんですよ。

ヤイロチョウが見たい!

ワイルドライフ「高知 四万十川の森“幻の鳥”ヤイロチョウを追う」をご覧になって、「ヤイロチョウが見たい!」と思われた方もいるのではないでしょうか。

バードウォッチャーや野鳥カメラマンにも人気が高い鳥です。

私もいままでに「ヤイロチョウが見たい!」という方に数多くお会いしてきました。

その場合、いつも・・・

ヤイロチョウは見れません。

と答えます。

「幻を見ようとしてはいけませんよ・・・。」

と言いたいのをグッと我慢して、とりあえずヤイロチョウの生態についてお話をします。

ヤイロチョウはなんで見れないの?

生息数がとっても少ないんです!

ヤイロチョウは絶滅危惧種です。

高知県では天然記念物に指定されています。

2002年の環境省の発表によると日本に飛来する数は150羽程度とされています。

とっても数が少ない。

だから見れる可能性がとても低いというワケです。

とっても賢いんです!

ヤイロチョウは警戒心が強いので、人に姿を見せることがなかなかありません。

天敵が近くにいる場合、巣の場所がバレないようにワザと巣とは逆の方向に飛んで敵を混乱させたり、

鳴きながら移動して崖など危険な地形のところに誘導したりする習性があるそうです。

またキレイな羽の色なのでビカビカ目立ちそうですが、太陽の光が当たらない森の中では保護色となり、

その保護色に絶対的な自信があるらしく、かなり近づかないと逃げない個体もいるそうで、

見つけることが難しいとされています。

見れると言うと人がたくさん来ちゃうんです。

これは見れない理由というよりは、「見れませんよ」と言う理由ですね。

世の中には珍しい鳥が見たくてたまらない、それはもう病的なまでに見たくてしょうがない。

という方々が一定数いらしゃって、「珍しい野鳥を見れる場所があるよ!」という情報があると、

SNSなどでブワーっと拡散されて、カメラマンやバードウォッチャーが殺到します。

数年前、「滋賀県にだれでも見れるヤイロチョウがいる」という噂が広まったことがありました。

実際にその場所へ行ったことがあるのですが、150人くらいのカメラマンが三脚をズラリっと並べている光景を見て度肝を抜かれたことがあります。

「狂っている・・・」と思ったか思わなかったかは忘れてしまいましたが、自分の村がこうなっちゃうのは嫌だなぁとは思いました。

人がたくさん集まるとマナーが悪い方が中にはいらっしゃってトラブルになるケースがあるんですよ。

私有地に勝手に入っちゃったり、狭い農道に車を停めて通行を妨げたり、警察が出動したケースもあるみたいですから考えものです。

日本野鳥の会が提唱している「野鳥撮影のマナー7カ条」を守れない方が数名いるだけで、

ここは子育てをする場所に適さないということで、ヤイロチョウが巣を作るのをやめちゃう、最悪の場合は卵を生んだけどやめちゃうということになりかねません。

ですので「見れませんよ」と言うことにしています。

実際に、高知県でヤイロチョウを見ることはかなり難しいのでウソをついているワケではありませんよ。

「野鳥撮影のマナー7カ条」

  1. 野鳥の巣には近づかない。
  2. 野鳥を追い回さない。
  3. 珍鳥や人気の鳥の情報を公開しない。
  4. 周囲の人や撮影場所選びには十分な配慮をする。
  5. 餌付けや環境改変は行わない。
  6. 自然にやさしいマナーを心がけよう。
  7. ストロボは使用しない。

引用: 野鳥撮影マナーブック

いつなら見れるの?ヤイロチョウが見れる時期

ピークは5月中旬〜6月初旬

ヤイロチョウは渡り鳥です。夏鳥です。

なのでずーっと日本にいるわけではありません。

一番見ることのできる可能性が高い時期は5月中旬〜6月初旬です。

5月はヤイロチョウにとってつがい形成期になります。

越冬地から日本にやってきてすぐの時期。

お嫁さんになるメスのヤイロチョウを探すために、

5分〜15分、長い時には30分以上も鳴き続けたりします。

また声がよく通るように木の枝や梢にとまって鳴くので、見つけやすいみたいです。

この時期に録音された鳴き声を流したりするとヤイロチョウが混乱します。

いもしないメスを探しまわる可能性があるので控えましょう。

6月はヤイロチョウにとって大切な時期。

6月は営巣・抱卵期です。

夫婦で巣作りをして、卵を温めるとても大切な時期です。

この時期に森にむやみに入ると営巣放棄をする可能性があります。

ヤイロチョウの天敵にサルがおりまして、人間も大きなサルみたいなものですから「ヤバい!!」となって、巣を捨てちゃうんです。

卵を温めていても、やめちゃったりするので注意が必要です。

抱卵中は夫婦交代で卵を温めます。

夫婦でかわりばんこに抱卵する習性があって、

交代をする際に「周りに敵がいないよー。」という合図として数回鳴きます。

数時間おきに1回〜2回鳴き声が聞こえるようなら、卵を温めている可能性が高いです。

7月は子育て中。

ヤイロチョウは抱卵して2週間ほどで孵化します。

ベイビーが誕生するというわけですが、4人〜6人兄弟が一般的です。

エサの8割がミミズ。

その他には羽化したばかりのセミや乾燥している地域ではムカデもよくヒナにあげるそうです。

ヒナはミミズをモリモリ食べるので、両親は大忙し。

エサ場に姿を見せることが多くなることと、子育てに入ると営巣放棄の危険性が下がるので調査などはこの時期に行うことが多いようです。

8月は巣立ちの季節。

2週間で孵化したヒナは、2週間くらいで巣立ちをします。早いですね。

巣立ちをしたら、もう巣に戻ってくることはありません。

巣立ちをしてからしばらくは親と一緒に生活をするみたいですね。

親子のヤイロチョウ。見てみたいものです。

しかし森の中をあちこち移動することと、鳴く回数が減ってしまうので見つけるのは困難を極めるでしょう。

巣立ち後はどうやって暮らすのか、その多くはベールに包まれています。

ただ7月から8月は卵やヒナをヘビなどの天敵に食べられてしまった悲しいヤイロチョウが2回目の繁殖にトライする時期でもあるので、まだチャンスがあるといえば、あると言えるかもしれません。

9月・10月はサヨウナラ、また来る日まで。

9月・10月はヤイロチョウが南の島へ渡っていく季節。

胸にぽっかりと穴があいた気持ちになってしまう、寂しい季節。

星を頼りにしながら夜に渡りをするのだろう、と言われていますが、まだ不明です。

どういうルートで渡りをするのかも分かっていません。

まだまだヤイロチョウの生態は解き明かされてはいないのです。

そういうところが、魅力的なんですよね!

冬はヤイロチョウ研究に貢献できるかも。

ヤイロチョウは渡りのルートも分かっていなければ、越冬地もどこかはっきりとしていません。

ただボルネオ・インドネシアあたりが有力な候補地です。

ですので冬にどうしても「ヤイロチョウが見たい!」という方はボルネオあたりに行ってヤイロチョウを探してみてはいかがでしょうか?

ヤイロチョウを見つけることができて、生態を解明することができれば大発見です。

ただ東南アジアにはヤイロチョウそっくりのお仲間であるBlue-winged Pittaなどが生息しているので、見間違えないようにしましょう。

Blue-winged Pitta

Pitta moluccensis - Kaeng Krachan.jpg
引用:Wikipedia Photo By JJ Harrison (https://tiny.jjharrison.com.au/t/2OnEt6FLISgNaKoR) - Own work, CC BY-SA 3.0, Link

※ヤイロチョウの繁殖ステージは個体や環境によって大きく異なります。あくまで観察の目安としてお考えください。

ヤイロチョウを見るためのヒント

勝負は朝4時から朝6時まで!

ヤイロチョウを見ることができる可能性の高い時間帯は早朝です。

朝の4時〜6時までが勝負だと言われています。

7月頃は6時でも遅いくらいかもしれません。

セミが鳴き始めるとヤイロチョウの声が聞こえなくなってしまいますからね。

お昼ころに森を歩いてヤイロチョウと出会えなかった方は時間帯を変えてみてはいかがでしょうか?

視線の先が大切です。

ヤイロチョウはミミズが主食なので、地面をピョンピョン飛んでいることが多いです。

なのでヤイロチョウを探すときは、木の枝や梢よりも林床に視線を向けた方が発見できる可能性が上がるかもしれません。




どこなら見れるの?ヤイロチョウが見れる場所

絶対にヤイロチョウと出会える場所があります!

幻の鳥・森の妖精と呼ばれるヤイロチョウですが、確実に見ることのできる場所が高知県には1ヶ所だけあります。

その場所とは「わんぱーくこうちアニマルランド」です。

だいたいこう言うと、皆さんガッカリした顔をされます。

しかしですね!全国でもヤイロチョウを飼育している動物園はここだけなんですよ!

ケガをして飛べなくなったヤイロチョウを飼育しています。

年齢は10歳を越えている御老体なので、お早めに!!

2019年12月5日にわんぱーくこうちアニマルランドで飼育されていたヤイロチョウが死亡しました。フェイスブックページ【高知市みどり課「わんぱーくこうちアニマルランド」】の記事を引用させていただきます。

【ヤイロチョウが死亡しました】
当園で飼育していたヤイロチョウが死亡しました。
幻の鳥と呼ばれるヤイロチョウを動物園で見ることができるのは、2008年に展示を開始して以来、全国でアニマルランドだけでした。
そのため、県内外から当園に足を運ばれた方もおられました。
最近は衰えが目立ち、気温が下がる中なんとかもちこたえてきましたが、今月5日に入院し、残念ながらそのまま死亡しました。
死亡日時:2019年12月5日午後5時ごろ
死因:老衰
個体情報:2008年6月に高知県東部で翼骨折により保護収容、放野不可のため当園にて展示開始。昨年世界で過去一番長期飼育されていたヤイロチョウになる。
飼育年数11年5か月、推定年齢12歳以上
解剖によりメスと判明

わんぱーくこうちアニマルランドについて

わんぱーくこうちアニマルランドは高知市にある動物園です。

無料で入場することができて、ヤイロチョウも見れるという最高の動物園。

タヌキやアナグマ 、マムシなど在来種の展示が多いので大好きな場所です。

遊園地も併設しているので休日に親子で遊びに行くにはピッタリだと思います。

開園時間午前9時~午後5時
休園日水曜日(祝日の場合翌日)・12月28日~1月1日
入園料無料

わんぱーくこうちアニマルランド

ヤイロチョウについてもっと知りたい!

四万十ヤイロチョウの森ネイチャーセンター

四万十ヤイロチョウの森ネイチャーセンターは、高知県高岡郡四万十町大正にあるヤイロチョウに特化したビジターセンターです。

ヤイロチョウの剥製が数体展示しているほか、ヤイロチョウに関する資料が数多くあります。

図書コーナーやカフェルームもありますので、ヤイロチョウについて詳しくなりたいのなら、一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

運営はヤイロチョウが繁殖する森を買い取る活動をしている、(公社)生態系トラスト協会さんが行っています。

四万十ヤイロチョウの森ネイチャーセンター

バードウォッチングツアーに参加するのもいいかも

バードウォッチングツアーを企画している旅行会社さんが日本にはいくつかあります。

日本国内だけでなく海外の野鳥を観察に行くツアーがあったりするんですよ。

旅行会社さんなのでガイドがしっかりしていたり、専門家とのつながりもあるので利用してみる価値はあると思いますよ!

時期によってはヤイロチョウに特化したツアーを組んだりしているので、定期的にチェックしましょう。

旅行会社のリンク

ワイバード

風の旅行社

アルパインツアー:ネイチャリングニュース

ASIAN SAFARI SDN BHD

ヤイロチョウゼミナール「高知県でヤイロチョウが見たい!!」

ヤイロチョウに関する書籍・資料

書籍

資料

さいごに

いろいろとヤイロチョウについてまとめてみました。

非常にデリケートな鳥なので、どこまでの情報を出していいものか悩みました。

といっても私自身ヤイロチョウを見たことは1回しかないんですよね。

しかも誰でも見れるという噂の滋賀県に現れたヤイロチョウ一羽のみ。

高知県内では一度も見たことはありません。

そして是が非でも見ようと思ったことも一度もありません。

いてくれるだけで、それでいいのだと、思うようにしています。

わたしとヤイロチョウ

春になると家の裏山から

ヤイロチョウの鳴き声が聞こえてきて

しばらくの間

ヤイロチョウの声で目が覚めて

ふっと

その声が聞こえなくなると

なんだか とても心配をしたりして

ある日 1度2度の鳴き声が聞こえてくると

ああ まだいてくれているのだなぁ

としみじみ思ったり

私はそういう感じでヤイロチョウとお付き合いをしています。


【お断り】

※ヤイロチョウがやってくる具体的な場所を聞かれても何一つ答えることができません。

もしメールフォームより営巣地等に関するお問い合わせが会った場合は、「野鳥撮影のマナー7カ条」のURLだけ添えてご返信させて頂きますので、ご了承下さい。