【農家ブランディングまでの道】まずは取り組んでみる。市場での位置づけ。(ep.1)

第0話解説:

ルーキーししとう農家の私は領地の規模拡大を狙っていた。ししとう家族を増やす事が私の使命だからだ。

ししとう家族が増えれば増えるほど、私が儲かる仕組みになっている。

しかし5ヵ年計画を立てたところ、作戦が失敗する可能性が高いためオペレーションは計画段階で中止。

理論上は儲かる理屈になっていても、ししとう家族を奴隷のように働かせることは私にはできない。

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パラメーターメニュー

教科書によると、ブランドを起動させるためには14ものDNAの値を設定しなければならないとあります。

14項目のパラメーターを設定するのは大変です。

ゲームでもメンドクサイくらいですよ。

 

使用する教科書はコチラ↓↓

ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと 

 

■設定値

①ターゲット・オーディエンス

② プロダクト・ベネフィット

③ ブランド属性とブランド価値

④ ブランド・パーソナリティ

⑤ブランド・ビジョン

⑥ブランド・プロポジション

⑦市場での位置付け

⑧ブランド・プロミス

⑨ブランド構造

⑩ブランド・エクスペリエンス

⑪トーン・オブ・ボイス

⑫ブランド名称

⑬ブランド・ストーリー

⑭タグライン

 

一見しただけでは意味不明すぎます。

こういうのは設定値を少しでもミスったら論理破綻したりするので、慎重さが必要です。

ただ慎重になりすぎると、フィーリングが失われBADエンドまっしぐら、なんでしょうねぇ。

しかしクリアのカギとなる記事を読んだので、それを応用してみましょう。


記事紹介

ホモ・サピエンスは”虚構”を発明して繁栄したと言う人がいる。

現代の人類は、繁栄するために発明された”虚構”によって苦しんでいる。

その1つが=(イコール)という概念だ。

2x=6がx=3になるワケがないのである。

「xと3が同じなら、明日から3って数字はいらねえやい!!」

と言われたら「まっこと、そのとおりじゃ。」と答えるしかない。

この質問にあなたは何と答えますか?

 

「ネコはなぜ小判の価値がわからないのか」 養老先生はこう考える(デイリー新潮)

ー掲載日 2017年12月08日


⑦市場での位置づけ

DNA⑦はX軸、Y軸の値に、ブランドの強みを設定する項目です。

教科書には自社ブランドが最も右上にくるのがベストとあります。

ぱっと思いついたのは以下の図。

教科書には散布図とありますが、

向かうべきベクトルで示しました。

Factである理由

「ゲーム理論が明かす嘘の損」という記事を参考にします。

参考元URL:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67233?page=5

絶海の孤島を想像してください。

そこには3タイプのロボットが暮らしています。

 

1) いつも嘘をつく
2) いつも正直
3) 正直だが、一度裏切られた相手とは取引しない。

 

さて、あっという間に姿を消すのは何番のロボットでしょうか?

 

正解は、

2番のいつも正直なロボットです。

一度だけの取引を繰り返している限り「嘘をつく」ことがかなり有効なのです。

 

しかし参考記事によれば、近年の研究で「長期にわたる取引」では、

「嘘をつくことが不利」であることが分かってきたとあります。

実際の世の中では、コミュニティの中で長年にわたって繰り返し取引が行われ、

誰かに嘘をついたらそのコミュニティ全体に「あいつは嘘つきだ」という情報が知れ渡り、

取引そのものからはじき出される。

「嘘つき者情報」の共有によって「正直者コミュニティ」を守るのだ。

ソーシャルネットワークサービスの進化が進み嘘つきの共有化が技術的に容易になり、

多くの人たちが、”真実””に飢えているからこそ「fact」であることが、ブランドの強みになると私は考えます。

 

事業は長く続けることが前提です。

例えばヤイロチョウが暮らす森を恒久的に残すために活動している団体が、

1世代目で滅びてしまっては、悲劇そのものではありませんか。

人間の傲慢さを表現する喜劇になるかもしれませんが、それはいささかシニカルです。

よくありません。

とにかく初期パラメーターは「Fact」にしました。

そうじゃないかもしれませんが、

ここでは”イコール”ということにしておくのです。

Craftsmanshipである理由

これは某高級車のコンセプトがいいなぁと思ったので真似しました。

問題は農家のどこが職人的なのか?

ということです。

農家が職人でなければ、クラフトマンシップを謳うことができません。

これは問題です。嘘をつくことになってしまいます。

ししとう農家の私が職人的だなぁと思うこと

まず職人とそうでない人の違いって何なのでしょうね。

長年培ってきた感、とかよく聞きます。

普通の人よりも、一部の感覚的能力が鋭くなってしまった人を職人というのかもしれません。

 

農業で一番難しいなぁと思うのは、水やりと追肥のタイミングです。

どれくらい湿っていたら、どれくらいの水をやるのか。

花の咲き具合を見て追肥をするのか、しないのか。

植物はすぐに答えをくれません。

肥料不足や水不足の影響が2週間後くらいに出るなんてこともあるそうです。

作物の状態と天候と畑の状況を見極め、適切なタイミングで追肥や水やりをすることができたら、

職人的だなぁと思っちゃいますね。

土をもってパラパラと落として「うん」と頷くのもカッコ良いと思います。

 

職人的であるという事は合理的でもあるという事だと思います。

職人技には無駄がありません。

追肥を極めれば、

必要以上に肥料をあげなくてかまいません。

肥料をあげすぎると作物に良くないばかりか、

環境全体にも良くありません。

土の中で余った窒素は硝酸イオンに変化して川などに流れ出してしまうからです。

硝酸イオンが豊富な場所で発生することで有名なのが赤潮です。

 

水やりを極めたら健康な根っこの野菜に育ち、病虫害に強くなるでしょう。

そうすれば必要以上に農薬を散布する必要がありません。経費削減にもなるのです。

 

環境に負荷をかけないということは、

多少理想が高くても今後のために必要なことだと思うので、

この値を設定することにしました。

次回予告

まずはパッと思い浮かんだものを埋めてみました。

こういった感じで、教科書に沿ってブランディングを進めていこうと思います。

次回はDNA①ターゲット・オーディエンスを絞り込んでいこうと思います。

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