傾聴(アクティブリスニング)ってなんだろう?

傾聴姿勢について学んでいたら、頭の中がこんがらがってきたのでまとめてみました。

傾聴(アクティブリスニング)の定義

”アクティブリスニング”を日本語に翻訳した言葉が”傾聴”です。

なのでOxford Languagesの定義による”傾聴”の意味とは少し違います。

けいちょう

【傾聴】

《名・ス他》(耳を傾けて)熱心にきくこと。

「―に値する」

引用:Oxford Languages

どうちがうのか?

聞く?聴く?

辞書だけだと「きくこと」とだけあります。

ひらがなで表記されているので「聞く」と「聴く」

この二つの意味を含ませているわけですね。

「聞く」の方は何となくわかる、気がする。

でも「聴く」がよくわからない。

「そもそもコミュ障だし。」

という方のために臨床心理学者のカール・ロジャース博士という方が、

わたしたちの変わりに様々な実験を行いながら、考えてくださいました。

   

カール・ロジャース / Carl Ransom Rogers
生年月日: 1902年1月8日
出 生 地 : アメリカ合衆国 イリノイ州 オーク・パーク
死 亡 日 : 1987年2月4日

Creative Commonsに関する表記: Sketch of Carl Ransom Rogers Carl Rogers defined the concept of self-image (or self-concept) as the set of all the thoughts, ideas and judgments you have about yourself.

アクティブリスニングの手法

バーバル・コミュニケーション

言語をつかったコミュニケーション

ノンバーバル・コミュニケーション

態度や行為などから相手の本意を読み取る言語を使わないコミュニケーション


バーバル・コミュニケーションのコマンド

共感する

アクティブリスニングで最も大切にされることです。

日本語の”共感”には2つの意味が含まれています。

empathy(感情移入)と sympathy(同感)です。

たとえば、患者に対する「心配なんですね」や「辛いんですね」は empathy( 感情移入)による声がけである.

一方「心配ですよね」や「辛いですよね」は,sympathy(同感)のニュアンスが強い。

後者は「もし自分が相手と同じ状況だったら、自分も同じように思うだろう」という,自分の考えや気持ちを表明する声がけだからである。

患者対応においては,当然sympathyが必要なこともあるためsympathy自体が悪いわけではない。ー(略

では、なぜ筆者がempathyとsympathyの区別の重要性を強調するのかと言うと、empathyによる応答は「相手の価値観や要求を頭から否定しない対応」を可能にするからである.

引用:共感的態度を評価するための一方法――確認型応答という概念の導入――浅 野   良 雄

相手の心情に注意しながらempathy(感情移入)とsympathy(同感)を使い分けるようにしましょう。

相槌をうつ

相槌(あいづち)はとても大切です。

ですが声のトーンが低かったり、ワンパターンだと逆効果になります。

「はい」「そうなんだ」「うん」などの重要な相槌は5パターンから10パターンくらいの言い方を、

抑揚や声の調子を変えながら使うと効果的です。

パラフレージング

相手の言葉を自分なりに言い換えるテクニックです。

同義語・同類語を探して変換するわけですが、

意味を間違えたりすると失敗します。

また同じ言葉でも専門用語などは意味に違いがあるので注意が必要です。

 

例:

A:私は{バナナ}が大好きです。

B:なるほど(相槌)。{ネチョっとした甘い果物}が好きなんですね。

 

例では”バナナ”を”ネチョっとした甘い果物”に変換しました。

もしバナナだけが好きなら「バナナだけが好き」という情報が手に入りますし、

ネチョっとした甘い果物全般が好きなら、そういう答えが返ってくるでしょう。

どちらにしても相手の情報が増えるので、理解が深まったということになります。

オープンエンドクエスチョン

まず「クエスチョン」には2種類あります。

「クローズドクエスチョン」と「オープンクエスチョン」です。

 

■クローズドクエスチョン

「YESかNOか、はっきり答えな。」

これがクローズドクエスチョンです。

コマンドが2種類しかありません。


あなたはどぶ猫ですか?


■オープンクエスチョン

クローズとは逆に「はい」か「いいえ」で答えられない質問をオープンクエスチョンといいます。

5W1Hを意識することが大切です。

例:どんな花が好きですか?

どこへ行けばいいですか?

どんなことがあったんですか?

  • 多角的な情報が手に入る。
  • 相手に主導権を与えられる。
  • 相手によく考えさせることができる。

などさまざまな効果があります。


ノン・バーバルコミュニケーションのコマンド

姿勢

言語を使わないので、ノンバーバル・コミュニケーションは

バーバルコミュニケーションと比べて原始的になります。

人間の動物的な本能を利用したテクニックが多いのが特徴です。

まずお互いのパーソナルスペースを守ります。

対象の”警戒心”に注意をはらいながら、心理的距離を測りましょう。

パーソナルスペースは物理的な距離だけではありません。

・講習距離・社会距離・個体距離・密着距離

以上4つに大別されます。

男女間、体調、状況、立場などでパーソナルスペースは大きく変化します。

相手の正面もしくは斜め前に構えて、腕組みをしたりなど威圧的な態度は控えましょう。

 

視線

野生動物の場合、視線はとても重要な意味を持ちます。

人間の場合も野生の名残で、敏感に反応してしまいます。

なるべく相手の視線が合うように会話をすると”心の距離が縮まったような感覚を得ることができますが、

視線を合わせることが極端に苦手な人もいます。

視線においてもパーソナルスペースを守らないといけないということですね。

会話中にキョロキョロしたり、視線を合わせなかったりすると相手に不信感を与えてしまうので、

説得したい場合は控えるようにしましょう。

 

表情や仕草

多くの情報を得ることができる最重要コマンドです。

人間には無意識というものがあり、その時の感情が自分の意思とは関係なく表れてしまうことがあります。

顔が暗かったり、挙動不審だったりする場合は「本音を言えずにいるのではないか」といった考察ができます。

考察材料を多く集めることが大切ですが、表情や仕草を読むスキルは一朝一夕で得られるものではありません。

気長に培っていきましょう。

 

声のトーン・スピード

会話の中にはリズムがあります。

そのリズムを乱すと心地よい対話ができません。

人間の最小単位のリズムは吸って吐くという呼吸のリズムです。

会議が盛り上がっている場合は興奮しているので早くなるでしょう。

日曜日に自宅でリラックスしているときはゆっくりの呼吸になると思います。

呼吸を合わせて声の大きさや速さを同調させましょう。

呼吸に敏感になるなんてまるでオオカミみたいですね。

アクティブリスニングの3要素

アクティブリスニングには3つの要素があります。

この要素から傾聴姿勢が外れていると、アクティブリスニングそのものが機能しません。

自己一致 

真意を表明すること。

分からないことをそのままにしておくことは自己一致に反します。

相手に対しても自分に対しても真心をもって、話が分かりにくいときは、

「分かりにくい」と伝えることも大切です。

「聞こうか。聞くまいか。」「言うか、言うまいか。」

という葛藤を抑圧しないということですね。

②共感覚的理解

しかし聞いて欲しくないことや、まだ話したくないことなど、人にはあります。

心のどこに触れたら痛む場所があるのかを知るために、相手の話を、相手の立場に立って、

相手の気持ちに共感しながら理解したいと思うことが大切です。

「理解しよう」とするのではなく「理解したい」という気持ちを持ちましょう。

無条件の肯定的配慮 

相手が安心して話ができるようにする配慮。

配慮とは「よい結果になるように、あれこれと心をくばること」です。

心をくばるとは善悪や好き嫌い、主義主張などを値踏みせず、否定せず、

肯定的な関心をもって聴くことになります。

まとめ

一概に「話を聞く」といっても、育ってきた環境や好み、所属しているコミュニティは人によって違うので

同じ言葉を使っていても、まるっきり意思疎通ができていなかったりする場合があります。

それこそ環境によっては言葉を使うことそのものが極端に下手な人もいることでしょう。

しかし現代は言語社会。

すべての事象を言葉や数字で表すことができるような顔をしています。

そんな社会の学校の片隅で授業中、机に頬杖をついて雲を眺めている人に向けて、

「こういった方法をもって大人たちはキミの心をこじ開けにくるよ。」

と伝えたい思いも片隅にありますが、よりよい明日を多くの方が迎えることができるように、

アクティブリスニングを学習・実践していきます!